第4話

じぃっと彼を見つめると、薄っすらと目を開けようとした彼に私は耐えきれず、



「あ、あの!もうすぐあなたの友達が来ますので、このまま待っててくださいねっ!」



パッと手を引っ込め、言い逃げるように言った私は鞄を持って、公園を後にした。



後ろで何か聞こえたような気がしたが、分からなかった私は走って家に帰った。











その数分後、一台のバイクが止まった。



その人はヘルメットを取り、慌てて、公園の中に入るや否や、




「あーあ、やっぱ帰っちゃったか…」



やはりいないか。と予想通り電話口の彼女の姿はない。そんな彼女のおかげで居場所がつかなかったこの男は、一点を見つめたままベンチに座り込んでいた。





「おい、アヤトお前あの場所からどうしてここにいんだよ。」



そう問いかけても、反応しないコイツに眉を寄せる。




「アヤト聞いてんのか?」



「…あぁ、聞いてる。」



ワンテンポ遅れて答えたが、明らか聞いてないだろ。と心の中で突っ込んだ。

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