第3話
「おいっ!お前、今どこにいんだよ!何回もかけてんのに、」
「あ、あの…すみません、」
出た途端、耳を塞ぎたくなるような大声に顔を顰める。相手の言葉を遮り、話しかけると、
「…は?女?なんで、」
先ほどとは打って変わって、呆気に取られたような返しをされたので、
「……家に帰る途中、この人が倒れていたので、丁度かかってきたこの電話を取りました。」
とりあえずこの人に今の状況を説明した。
簡易な私の説明にこの人は納得し、
「わかった。今から向かうから場所教えてくれる?」
そう言われて、この公園の場所を教えると、案の定すぐ来られるようなので、ホッと肩の力が抜けた。が……、
「じゃあ、それまで悪いんだけど、そこで待っててもらえる?」
「、えっ!!いや、私、」
「だって、お礼も言いたいし、ね?」
そう優しそうに言うが、私はぶるぶると首を振る。
いやだって、明らか喧嘩しました。って感じの人だし、ってことはこの人もいわば不良でしょう。何されるかたまったもんじゃない!
「け、結構です!すぐに来られるのなら帰りますねっ!」
「えっ!ちょっ」
「失礼します!!」
そう言って、すぐに電話を切り、彼の頭の横にそれをコトッと置く。
「わぁ…、、」
金髪だ。
よく見てみると、綺麗に染め上げられた髪色。街灯に照らされ、余計に眩しい。
ふわりと風に靡くそれに、私は気付いたら梳くように撫でていた。
「……ん、」
「っ!」
唸るような声が聞こえ、思わずピタッと動きを止めた。
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