秘められた狂気と愛? 〈ランボー〉

 私が子供の頃、木・金・日曜に洋画劇場みたいなのを地上波でやっていて、そこでよく〈ランボー〉シリーズが放映されていました。


 そこではシルベスター・スタローンは捕虜を救出しに行ったり誘拐犯から人質を取り返したりしていたので、私は彼をただのベテランの退役軍人なんだと思っていました。

 第一作を観るまでは。


〈ランボー〉の一作目では、彼は正義の味方でも頼もしい救出者でも何でもなく、自国の保安官に止められた腹いせに田舎町に破壊の限りを尽くしたあげく、説得にやってきたかつての上官の前で突然子供のように泣きじゃくるという、まさしく破壊と狂気の権化のような存在でした。

 その様子は明らかに、今でいうPTSDの症状で…それを正面から描いているという一点だけで個人的に高評価の映画なんですが、何で2作目以降から単なるアクション映画になっちゃったのかな。


 ちなみに、私的には、ランボーと、元上官のトラウトマン大佐(ご高齢)の間には非常にホモセクシュアルな雰囲気を感じています。

 だって大の男が、この元上司の前でだけは人目も憚らず泣くんだぜ?! 大佐の方もランボーには妙~に気をつかっていることが、言葉や態度の端々から感じられる。2作目以降も(笑)。単に父性的なものと言ってもいいかもしれませんけど。


 ほぼほぼ男しか出てこない戦争映画ばかり観ているからといって何でもかんでもBLだと思うような人間ではないんですけども、私は…。信じてもらえないかもしれませんが、〈トップガン〉でアイスマンと彼のバディがデキていると思ったことは一回もない(笑)。いやマジで。でも〈ランボー〉ではなぜかそう思うんだよなー。


〈トップガン〉の話が出たついでに言っておきますと、〈トップガン〉シリーズはそれほど記憶に残っている映画ではないです。あっけらかんと何も考えずに観られるからかな。例の空母発着艦シーンとか。発艦シーンとか。発艦シーンとか(それしか覚えてないんかい)。


 監督がゲイ疑惑のある人で(笑)、ムダに男のシャワーシーンが出てくる(確かに!)し、トムキャットのパイロットエヴィエーターと後席のRIOレーダー迎撃士官とのセリフのやりとり(距離が近い!)とか、のある男女いずれにも評価は高いのですが(笑)、個人的にはぜーんぜんそんな気は起きないんだよなあ。ほんとに。神に誓って。


 いや、裏では何ヤッててもいいし、訓練生と教官が恋に落ちるんだから(マーヴェリックとヴァイパーのことを言ってるんじゃなくてですね。しかしこの映画といい、米軍のコールサインのセンス好きだなぁ)、前後に乗ってて命を預けてる奴に恋愛感情が芽生えたっておかしくないんですけど。

 あれかね、あまりにもあからさますぎて逆にどーでもいいのかもしれません(笑)。





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