副長のヒゲ 〈Uボート〉
これもたしか原作がある。読んで字の如く、大西洋におけるドイツ海軍
潜水艦の話って、敵(水上艦)と敵(潜水艦)の間でもライバル同士何か通じるものができてくるとか言われているようですが、BLの舞台として考えると(考えるな)、狭いわ臭いわ汚いわで全ッ然そそられないんですよね。男が何十人といて、(狭い空間で何か月も過ごすので)「十何組かのカップルになって帰ってくる」とか言われてるのに(あ、私が勝手に言ってるわけではないです)。
それはそれで需要はありそうですけど書くのが大変ていうかその人数は明らかに
ま、とにかく、プライベート空間のない潜水艦は極めてプライベートな行為には不向きってことです(勇を鼓して書いたことはあるけど、開示する勇気はさすがにない…かな)。
で、この映画、一隻のUボートが母港スカパ・フローを出港して戦いに行って――って話なんですけど、印象的な人物が2人いる。
一人は艦長で、もう一人が副長。
この二人実に対照的で、艦長は
対する副長は若くて端整なブロンドで、いつもパリッとした身なりをしている。ヒゲも生えていないので、海軍に詳しくない市井のお偉方に会うと、副長の方が艦長だと勘違いされるほど。
だもんで、私はこの副長、ヒゲの生えない体質の人だと思っていたんですよね。童顔だし。
ところが、中盤、爆雷攻撃で浮上できなくなり艦内に閉じ込められているシーンでは、副長のヒゲが伸びている!
つまり、副長は(どうやったか知らんけど)毎朝ヒゲを剃っていた!
爆笑した後、ハッと我に返り、人物描写の妙を垣間見た気になりました。
ヒゲひとつとっても、艦長は、豪放磊落で酸いも甘いも嚙み分けた老練な職業軍人。身繕い(ヒゲ)など細かいことは気にしない。片や副長はそんな艦長を支える、生真面目で細部によく気の回るドイツ軍人の鑑みたいな存在。
そんな彼がヒゲを剃れないくらい状況は切迫している…!(というか、酸素が足りなくて、乗組員の半分は寝ていろと言われるくらいヤバい)
ということを、この副長のヒゲは一瞬で理解させてくれたのです。
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