後異世界の塩事情◆中編
岩塩が主流と言われるヨーロッパにあっても、
◆天日塩田法
◇海水の場合
オススメ度★★☆☆☆
海水の汲み上げ:ポンプ
海水の散布:-
◇人工|
オススメ度★★☆☆☆
海水の汲み上げ:-
海水の散布:-
◇天然|
オススメ度★★★☆☆
海水の汲み上げ:-
海水の散布:-
最も伝統的かつエコな水分除去法の一つ。そのため工夫や管理次第ではどこででも行えるようだが、「砂漠のような乾燥地域」で最も真価を発揮する。「蒸発池(日本で言うところの『塩田』や『流下盤』のようなもの)」を準備して海水を引き込むところまでは「雨の多い日本の塩田法」と同じだが、海水を利用した天日塩田法の場合、太陽熱&風力によって完全に結晶化までさせてしまうため、
海から汲み上げた海水(岩塩を溶かした人工
でき上がった塩の品質は「製塩作業地域の降雨量」に拠る。
砂漠のようなほとんど降雨のない地域では、結晶池中の塩の層が厚くなりやすく、一枚でも広々とした面積を誇る大塩田を作りやすい。できる天日塩は空気中の砂塵が混ざりやすいものの、塩の層が蓋の役割を果たすため、池底からの泥の汚染は比較的少なく、大きな硬い結晶になりやすい。そのため溶けにくい塩に仕上がる。
このタイプの天日塩が輸入塩として日本で直接流通する場合、一般的には大粒の不定形に破砕された状態で流通しているため、岩塩と勘違いしやすいらしい。
降雨が多くなるにつれて塩の層を作れなくなっていき、一枚一枚の塩田の面積も小さくなっていく(その分は枚数でカバーという展開になりやすい)。中にはレンガやタイルを駆使して池自体からの泥の浸入を阻止しようと奮闘しているところもあるようだが、成功しているとは言いがたい。そのため
上記のことから、先進国と呼ばれる国々では一般的に「天日塩をそのまま食用」とする例は少ないようで、飽和食塩水で徹底洗浄するか、溶解して不純物を取り除いた上で
海水の質が塩の質に直結してしまう点や、周囲の環境が場合によっては塩の質に結びついてしまうことがある点(例えば花粉のような空気中の浮遊物が塩田に降り注いだりしないのかという意味で)は要注意。異世界に持ち込む場合にはさらに、「蒸発池」や「結晶池」といった拓けた水場の安全性を長期にわたって確保できるのかという点でもかなり不安が残る。場合によっては、草食動物の格好の「塩舐め場」と化してしまったり、それを狙う肉食動物を呼び込んでしまったりする可能性なども捨てきれない。
大規模な塩田としては、メキシコのゲレロ・ネグロ塩田(世界最大。結晶池だけでも東京23区に匹敵する広さ)、フランスのジロー塩田(ヨーロッパ最大)、スペインのトレビエハ塩田(塩湖をそのまま塩田に転用)、イタリアのチェルヴィア塩田などが有名。
以下は塩田の狭さを枚数で補っている例。
◇マラス塩田【
南米ペルー共和国クスコ県ウルバンバ郡マラス村の、ウルバンバの谷(インカの聖なる谷【
◆
何らかの方法で採取した高濃度の塩化ナトリウム水溶液である
◇溶解採鉱法
オススメ度★★★★☆
海水の汲み上げ:-
海水の散布:-
一見無駄にも思える
岩塩層まで空気用と注水&
「サラン=レ=バンの大製塩所(フランス)」「アル=ケ=スナンの王立製塩所(フランス)」などが有名。
◇天然鹹水法
オススメ度★★★★☆
海水の汲み上げ:-
海水の散布:-
最も手間のかからない
地中で長い時間をかけて塩化ナトリウム濃度を上げた太古の海水を汲み上げ、実際にそのまま
温泉リゾートとして知られるバート・ライヒェンハル(ドイツ)、ハンザ同盟の盟主として繁栄を誇ったハンザ都市リューベック(ドイツ)などが有名。
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