第12話

「大丈夫?気分悪い?」


「………ん」



うなだれる俺の鼻が、紫季の頭に当たる。



良い……香りするんだよな。いつも紫季って。



「どこで呑んでたの?お酒くさいよ?」


「…………」


「もうすぐ最上階に着くからちゃんと歩いてね?」



俺の顔を覗き込んで仕切りに背中を擦ってくれる紫季。

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