第3話

中指の先に当たった煙草の箱の上からライターが落ちて、手の届かない場所までライターが転がって行った。



ため息をついて、俺は額を手の平で覆った。



あぁ……面倒くせ。



乱暴に伸ばした足がゴミ箱に当たって、派手に倒れたゴミ箱から空き缶が散らばった。



「朝から荒れてんなぁー?千秋」



その時ドアが開いて、足音もなく香月が地下室に入ってきた。



「んんー?ほっとけ」



煙草を吸いながら向かいのソファーに腰掛けた香月は、機嫌の悪い俺を見ておかしそうに笑って、吸いかけの煙草を俺の唇に挟んだ。

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