第8話

「エンゲージリングとか。給料3ヶ月分とか言うじゃん?」



そんな騒がしい2人を置いておいて、瀬大は自分の話したい言葉を続けた。



「恵冬の給料3ヶ月分って言ったら、うーん…」


「5兆円位ですか?」



瀬大たちの会話に振り返りそんな数字を本気で呟く幸太。



「何だよそれ。どうにかしろよこの馬鹿」


「え!?もっとですか!?」


「あぁうるせぇ」



本気で呆れた表情を幸太に向ける恵冬に、瀬大も蓮司も腹を抱えて笑った。




そんな時に不意に通り掛かったチャペルを、恵冬は見上げていたんだ。




瀬大はその表情を忘れられなかった。

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