第22話
「それを流して、どっかの誰イーストを食い物にして懐を潤してたらしい。所謂シノギって奴だ。…で、ソイツらの下っ端をある日突然ぶっ飛ばし始めて、そのビジネスを半壊させたさせた奴がいるらしい」
「………誰だよ。警察か?」
「老舗のヤクザだよ。伊勢崎會だ」
「!」
「そこの、若頭、らしい」
伊勢崎會……。
あたしの眼光が鋭くなったのに気付いたのか、祐輔が釘を打つようにあたしを睨む。
「伊勢崎會がこの街を護ったのか?」
「麗。俺がお前に情報を提供するのは龍聖の事件について、龍聖の死についてお前が何か知れたらいいと思ってるからだ。危険な目に合わせたいからじゃねぇぞ」
「分かってるよ。前からヤクザ絡みの事は、なんかリュウの事が分かるんじゃねーかって、調べてただけだし」
そう返事しながらもあたしの頭の中は【伊勢崎會】の事でいっぱいだった。
イーストにはびこる数ある極道の中の1つの【伊勢崎會】。
リュウのあれだけの事件を揉み消せるのは、伊勢崎會位力がある組じゃないと無理だとあたしは踏んでいた。
……警察が身動きを取れない理由は、そういう事かもしれないと。
警察とヤクザはの力は横並びだ。
リュウの事件は、金で揉み消されて、跡形もなく消えてしまったんだろう。
「伊勢崎會以外にもデカい組は沢山あるけど、比較的新しい組が多い。今は勢いが無くても歴史があれば警察と繋がりがある組なんてザラだ」
とどのつまり、伊勢崎會が一枚噛んでる可能性は、やはり高い。
あたしは前からそう疑っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます