第19話

「別に良いんだよ。政治家っつーのは儲かるらしいからな。あの親父、あたしがハタチになるまでは金くれるらしーぜ。なるべく無駄遣いしてやろーって毎月ウキウキするっつーの」



マナが捨て犬なら、あたしは捨て猫ってとこか。


似た者同士なんだろうな。


だからマナはあたしに拾われて、あたしはマナを拾ったのかもしれない。



「…前から言ってるけどよ、うちのお袋たちもすげー麗の事心配してて、お前の事うちに住んだら良いって言ってるから、いい加減維持張ってないで…」


「そーわいかねぇって。人様ん家に迷惑かけらんねぇし」


「人様って…」



煙を吐き出した祐輔が苦笑する。




「家族みたいなもんだろ」




そんな事も、わざわざ言ってくれなくても…痛いほど理解してるよ。



「……家族か。…良いな」



視線を移した窓にはポタポタと雨の雫が落ち始めていた。

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