第12話
空きっ腹に焼酎はさすがに効いたらしく、連日の睡眠不足も祟りあたしは机に頬杖をついたまま欠伸をした。
「つーかねみー…。そろそろ寝に帰ろうかな」
「眠いなんて、お前常にじゃねぇかよ。口開けば"ねみー"と"だりー"と"うぜー"の繰り返し」
「うぜー……」
金髪を乱暴にかいて祐輔を睨めば、祐輔が言った言葉と全く同じ言葉が口から飛び出す。…何だこれ。すげー悔しい。
「つーかお前たいした仕事してねぇじゃん。しょっ中サボって煙草ばっか吸ってるくせに」
「はぁぁ!?失礼な奴だな!仕事しながら煙草吸ってんだよ!サボった覚えはねぇぞ!」
あたしイーストにある日サロでバイトしている。スタッフは焼き放題だからって理由で入ったけど一回やって見たらただ真っ赤になってヒリヒリしただけで、色なんかちっとも付かなかった。
良く考えたらあたしは日焼けしても黒くならないタイプの人間だった。
つまんねぇからすぐに辞めてやろうと思ってたけど、店はいつも暇だし好きな時に煙草が吸えるからなんだかんだ続いている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます