第7話

「夜は雨降るとか予報が言ってたからなー。それになんかバイク調子悪くてさぁ」


「へぇ。じゃあ明日でもガレージ持ってくれば?」



ピザまんを頬張る祐輔。今日も忙しくて飯を食う暇も無かったんだろう。





秋のエビストは、潮風も手伝って凍てつくように寒い。



「おー。じゃあバイト終わったら行こうかな」



歩きながら煙草に火を付けたあたしは、明日のシフトを考えながらそう答えた。



「そーいやお前もうすぐで19になるな」


「へぇ?覚えてたのかよ」



あたしですらバイト忙しくて忘れていた。



「いや、忘れてた」



なんだよ。と祐輔を見上げたあたしに、




「覚えてたのは、真翔(マナト)」




祐輔は切れ長の瞳を前方に向けて、おかしそうにそれを細めて笑った。

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