第4話

そんな港湾沿いの寂れた小さな港街は【evil street】と呼ばれている繁華街で、地元の奴はイーストと呼んでいる。



夜になるとネオンが付き騒がしくなるその街を行き交うのは、ガラの悪い若者や、極道の幹部から末端、それに夜の蝶たち。




喧騒が混じり合い、犯罪や喧嘩が日常なこの汚いこの街の発する、

華やかで危なげな光は、薄暗い港湾をぼんやりと照らしている。




あっという間に無くなった二本目の煙草を海に捨てて、最後の煙草を咥えたあたしは殻になったSevenstarsの箱を握りつぶして海に捨てて立ち上がる。








「………もう、2年経つよ」





誰もいない夜の海に呟いた言葉は、波の音に掻き消され静かに消えて行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る