ロンリーガール
第3話
釈然としねぇ。
世の中はそんな事ばかりだ。
強い夜風に吹かれジリジリと減って行く煙草の火はあっというまにフィルターに辿り着いた。
舌打ちして吸い殻を海に捨てたあたしは、仕方なく新しい煙草に火を付けた。
あたしの住む街には海がある。
たいして綺麗では無いけど、少しバイクで走れば砂浜もある。
ここは港湾。
防波堤などの人工の構造物によって海本来の姿は失われている。
貨物などの水陸輸送の為に使われるこの港はコンテナやガントリークレーンの群れに占拠されている。
あたしが座っている平らなアスファルトの地面も、本当なら海の筈だ。
防波堤があるために波の殆ど無いこの港湾の海は、空き缶やら何やら常にゴミが浮いていてとてもじゃないけど綺麗なんて言えない。
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