第17話

「それにハルカ君はミヤさんの想像通り青山LOVEですよ?勿論今でも。でもシド君のあれは父性でしょうね。カイセイ君も兄貴分って感じだし」


「ふ。そういう事か。そんでHOPEのマドンナは北神が手に入れて、後は先行もれ、と」



マドンナ、か。


多分そうなんだと思う。青山はみんなにとってそうい存在なんだ。きっと。



「そーです。まぁ、ハルカ君は毎日のように青山に好きだとなんだのって言って全然諦めてる様子ないですけどね?」


「お前は?」



不意打ちな質問に、ギクッ。とした表情を隠せなかった。


そんな一瞬の表情でも、見逃すような相手じゃない事は分かってる。



「お前も先行もれて、白石と同じように猛アタック中かよ?」



参ったな。一本取られてしまった。



「……ほん……っと、あんた、残酷な人だよな」


「お前は性格悪過ぎだぞ」



本性なんて言ったら大袈裟だけど、少し素の言葉遣いになった俺に、ミヤさんはどこか満足そうだった。




「そんで、お前は頭が良過ぎる。プライドも高過ぎだ。セイヤさんがお前を我が子のように心配する訳だ」


「俺が、レオ君と付き合ってても青山が好きで、ハルカ君みたいに素直に気持ちを伝えられずにいじけてるのが心配って言いたいんですか?」


「ちげーよ。溜め込みすぎずに肩の力を抜けって話しだろーが」


「力を入れてないと、この身体は勝手に動き出して青山を捕まえて思いっきり抱き締めますよ。きっと」



俺がそんな事を言うのは意外だったのだろう。



ミヤさんは、少し驚いた表情をした後に一際楽しそうに笑い声を上げた。



「そうなったらそうなったで仕方ねぇな」


「何を無責任に」



ミヤさんの言葉に思わず眉間にシワを寄せる。



そんな俺に、





「だって男は狼なんだぜ?」








ミヤさんは獰猛な瞳を細めて、野性的に微笑した。

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