第18話

次の日の朝は二日酔いだった。



自分でも気付かない間に結構呑んでしまっていたらしい。俺は昼過ぎに一度目覚め自分が学校を大寝坊してしまった事に気付くも、起き上がれない位の頭痛にベッドの中で蹲った。




じ、重力が……すごい。


ベッドから全く起き上がれない。





ミヤさんとはそんなに長い時間一緒に居なかったはずなのになんで……。



うっすらと目を開ける。部屋の床には散らかったお菓子とからになった酒の瓶。



……ス?スピリタス…?



………あぁ、そっか。昨日俺、帰りに酒買って部屋でひとり酒したんだっけ。なんだかミヤさんと話した後やるせない気持ちになって、やけ酒。


しかもスピリタスなんて……。





あ、ケンケンや青山たちに連絡しなきゃ……と思っても携帯が入っている鞄は部屋の端に転がっていてとてもじゃないけど手が届かない。


そして、とてもじゃないけどあそこまで歩ける気がしない。






あぁ、何やってんの俺。馬鹿なの?


練習までには学校いかないと。





そんな事を考えながら寝落ちした俺は数時間後目覚めた時には、先程目覚めた時より体調はだいぶ増しになっていた。




「う〜〜、頭痛い」




適当に準備して電車に乗り込み携帯を開くと、見慣れた面々からメールやら不在着信が入っている。




未読メール・セイヤ

ミヤと飲み行ったんだって(^-^)?


未読メール・ニッシー

寝坊かー(▼ω▼) ?ユキ?


不在着信・コー君


未読メール・コー君

おーい?寝坊か?


不在着信・テッペー


未読メール・ケンケン

サボりか!こら!ユキ!






携帯から騒がしさが伝わってくる……。俺は思わず電車の中で苦笑した。




しかしどうしたんだろう。青山の名前が無い。





連絡先の欄から青山の名前を探し出し親指を落とそうとするけど、俺はその指を止める。



え?何で俺から連絡するんだ?



"あの、僕寝坊しましたよー?"とか?

"なんでメールくれないの?"とか?



ダメダメ。どれも最悪。




あー阿呆らし。さっさと学校行こ。




ガタンゴトン。電車の揺れって、どうして眠くなるんだ。



そんな考え事をしながら、俺は学校までの道のりを眠って過ごした。

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