第10話

長いまつ毛は青山のチャームポイントだと思う。


いつも綺麗なピンク色のリップをぬっていて、髪は毛先がクルンとしてて。


女の中では小柄な方だと思う。いつもお菓子の袋やビンの蓋をなかなか開けられなくて困ってる。



病的に不器用で、純粋で、素直で。

頑張り屋。みんなに親切で真っ直ぐで笑顔の可愛い女の子。




そんな青山が元気が無い。



「いつもエサあげていたノラ猫が家に来なくなっちまったらしい」



シュンとかぶりを下げる青山に変わって、レオ君が青山の元気が無い理由を代弁した。



「さっきお母さんに電話して聞いたんだけどね、エサ減って無かったて……」



……そういう事か。どうりで朝は普通だったのに部室に来るまでに元気が無くなってる訳か。



「何?なんでそんなに可愛いの?カイ……ノアが可愛い過ぎて辛い……」


「ハル、床に倒れるなよ、汚れるぞ」




カイセイ君に起き上がらされながら、まだシュンとしてる青山にハルカ君が苦笑した。



「ノアー。また来るよ。元気出して?うちの猫の愛理も3日位家出して気付いたら帰って来たりするし。な?レオ。お前んちのヴィヴィアンもそうだろ?」


「あの馬鹿猫の話しはするな。何度言っても俺のスコアがビリビリになるまで引き裂きやがる」

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