第6話
渋澤は数年前に俺の部下として時間を共にした。その頃から俺は単騎型でバディは募集していなかった。
それはそれは出来の良い奴で、俺は入ったばかりの渋澤のメンターを一年間担当した。それから数年して渋澤は特例の出世で今や俺の国内の持ち場を難なくこなしてくれている。
千原が入りたてだった時も、本社で少しの間共に仕事をした事があり、俺を慕ってくれている。
「あなたがいないと、私と渋澤さんは不安でたまりません。三池さん。あなたが育てた人間が優秀なのは渋澤さんで証明されました。どうかもう少し国内のソルジャーの面倒を…」
「俺教官やる程暇じゃないよ。銀座の件終わったらパレルモにとんぼ返りだし」
…って、ところで。
「あの…、俺に1人バディがついたんだって?」
俺の言葉に千原が慌てて返事をした。
「本題に入りましょう!本日から三池さんのバディに、半年目のソルジャーがつきます。かなり前に、住民の出入りのタイミングにちょうど良く立ち会えてオートロックをパスして三池さんのお宅の玄関の前に着いたと連絡が来たのですが…」
「可哀想に」
「彼は見かけよりも忍耐強いソルジャーなので、少し待たせる位は…」
千原は、待たせた事を"可哀想"と思ったらしい。
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