第21話

印象的な瞳だと思った。

グレーのカラコンが入ったその人の瞳は、なんだかとても優美に見えた。



「何見てんだよ」



……だけどハスキーな声で威嚇してくるその人の不機嫌全開の表情にあたしは恐怖の方が強く感じた。



「"北神レオ"さんのスコア!ここに置いとくんで渡しといて下さい!それじゃ!」



目も合わせないで要件を伝えてその人の突っ伏してる机にスコアを置いて、あたしは内側も落書きだらけなドアに向かって走りだした。



今日は北神レオは不在みたいだ。その代わりにあんなに恐ろしい人が……!



「失礼しました!」



ドアに触れながらそう言った瞬間あたしの力ではない力でドアが開いた。

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