第7話

勉強は苦手。

仲の良い友達たちは皆一駅向こうの進学校に行ってしまった。



勉強が嫌いなあたしは一人、素行がよく無いと有名なこんな高校へ……。



あたしは勉強が嫌いだけど、素行が悪い訳じゃない。


喧嘩やバイクにも興味が無いし、パンダみたいなメイクや油臭いおじさまたちとピンクなホテルで宜しくやって大金を稼ぐ女子たちには一切共感を得ない。



『ノアは子供だ。赤ちゃんだよ』



皆との考え方の違いに悩んでいたあたしに、そんな事を言った人がいた。



『周りに溶け込む事は、流される事とは違うよ?ノアはただ突っ張ってるだけだよ。そんなのあそこにいる走り屋たちと一緒だ』



彼はバイク好きなヤンチャな男子たちを指差しながら続けた。



『俺ら、一緒にいても成長出来ないままだね』



強い風の中。彼の黒い髪と制服が揺れていた。



『別れよっか?』



それは、あたしの涙で。

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