第8話

テーブルの上は俺の食器以外は置いてなかった。



このジジィいったい何時に起きてんだ。朝食作ってもう食べ終わったのかよ……。



そういや、アイツが見当たらない。


この屋敷に俺と同じように居候してる、もう1人の人間。



「十和(トワ)は?」



味噌汁を啜りながらそう尋ねた俺に、新聞をめくっていたジジィが呟く。



「境内だろう。もうあの子は食事を終えた。掃除もしていたぞ」



アイツの行動範囲は所詮この屋敷から目の届く距離に留まる。



……俺がやるつもりだった掃除も済ませたというのなら、俺は今日の始まりに何をしたら良いのかさえわからなくなる。



とりあえず後でアイツに会ったら例を言わないと。……アイツは俺にはあまり近寄りたがらないけど。

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