第4話

返事をしようと口を開こうとした時にプツンと切れる電話。



あ……。こっからだったか。圏外になる所。




駅からぼんやり歩き続けてたどり着いたのはそこそこ立派な寺。


石の階段を上がり砂利を踏み鳴らしながらそこを横切り、奥にある立派な垣根に囲まれた、


何処ぞの旅館のようにデカい屋敷に足を踏み入れた。




……ただいま帰りました。…と。




皆寝ているらしい。そういや終電近くに駅についたから、気付いたら日付が変わっている。




ザワッ……。




ドアを閉める直前に一際強い風が外の木々を揺らした。



俺は、瞼の裏のように真っ暗な闇を見据えた。





「……おやすみ。また明日…な」






皮肉めいた笑みを闇の中に切り落として、俺はバタンとドアを閉めた。

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