第5話 コンビニ1

♪~♪~


隣の部屋から鼻歌が聞こえてきた。外の洗濯物を取り込んでいるらしい。前の住まいの件もあり、隣人と話すのは警戒していたが、今回は大丈夫そうだ。何故大丈夫と言いきれるのか、自分でも不思議なのだが、彼は大丈夫そうな気がする。


もしかしたら

続編も書けるかもしれない


『悪夢探偵 来夢』というライトノベルで賞をもらったのはいいものの続編の筆が進まなかった。そのため担当から指示があった別のエッセイや恋愛ものをやむなく書いたりはしている。が、エッセイはともかく恋愛ものの評判はあまりかんばしくは無い。


彼みたいな会社員をキャラクターにいれてみようか

そもそも、恋愛ものなんてもっと難しい

ダンピールの時点で感情が薄いのに


ノートパソコンに向かいプロットを練っていると、少し形になってきた。その後も作業していると、随分集中していたのか、21時を回っていた。


陽が暮れた通りだが夜目が効くため普通に見える。街灯もあるし。コンビニで目立ちたくないので、眼鏡とマスクをし歩いて出掛ける。第一世代から時を経た我々世代にも瞬時に移動したり、怪力を発動したりは可能だが、恐ろしく体力を消耗するらしい上目立つので現代では推奨さえない。何より、消耗を補うため手っ取り早く人を襲う可能性があるためだ。


目が良くて、寿命が少し長い

食糧が異なる、年を取らない

それだけの違いだよなぁ


コンビニに到着し、トマトジュースを見つけ近寄る。すると、肩に手を置かれ、飛び上がった。



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