第4話 宅配ボックス2

「うちの宅配ボックスにこちらの荷物が」


「えっ…あ、あぁ~申し訳ないです」


何だ

意外と普通だなぁ

身長は俺より高そうだけど


拍子抜けして細長いシルエットの相手をみていると、ダークレッドの色味の瞳と目が合う。ワインに似た綺麗な色だ。


「あの、それ」


「あっ、すいません。はい、どうぞ」


促され小包を手渡す。すると嬉しそうに微笑んだ。


綺麗な顔だなぁ

モデルとか、芸能人やらないのか


「ありがとうございます。それと、先日の万年筆も。ですよね?ありがとうございます」


「いえ。お仕事在宅なんですか?」


個人情報だが、立ち話の体で聞き返す。ダンピールはどうやってくらしているのだろう?背後は普通に電気はついているし、部屋の様子は不明だが、玄関は片付いている。


気になる


「はい。ずっとそうですね・・貴方は、澤村さんでしたっけ?どうですか?」


言葉少なに返されたが、名前を知られていたのはくすぐったい気分だ。


「最近は、週一は出勤してますけど、基本は在宅なんです」


「そうですか。一緒ですね」


「そ、ですね。それじゃ」


「はい。失礼します」


特に話す事も思い付かず、相手もそう思っていそうだったので、そこでお互い会釈をして部屋へ戻った。



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