第15話 PC内で僕は下僕?
PCマザーの話に興味はある。
同級生の一条が実はPC機械だと。
たいていのことには推測できる僕だが、これは想定外だった。
この間の校門前の車にひかれかけの件。
ヒヨリをとっさに守ったのは僕だ。
僕なのに、表向きは一条の手柄になっている。
PC 特有の書き換えなのか。
「ヒヨリ。」
PCマザーが「ケイタ、何か言ったか?」
「いや、別に。」
しかし、一条がPC機械だとすると全て理解できる。僕は脳内で自問自答していた。
人間の中には嘘を言ってそれが上書きされて、ついた嘘が本当だと脳が勝手に思い込む人間がたまにいる。
奴らも実は上書き上手なPCだったりしてな。
しかしどうしてPCの機械が人間になれるんだ。マンガじゃ、あるまいし。
「そうだな、ケイタ。」
「PCマザーこらあー、勝手に脳内に侵入するな。」
「悪かった。しかし、その質問に答えてやろう。一条はPC内、人間界どちらも
支配したがっている。
真の神になろうとしている。
一条自身、元々PCだから、PC内は把握済みだ。人間界では人間の姿が必要だ。」
「当たり前だ。」
「ケイタ、一条と仲がいいか?と前に聞いたことがあったが、覚えているか?」
「あー、オタクを隠している時点でアウトだっと言った。」
「そうだ。あの時の質問の続きだ。
フトシ、シュウジはいつからの友達だ?
ヒヨリは?」
「フトシ、シュウジは中学からだ。
フトシのモフモフ系、ピロちゃんは僕もはまった。シュウジの超合金ロボットGにもはまった。もちろん美少女戦士桜田くん、早川くんが
僕の中では一番の推しだ。
まあ、そのあたりの話題で中学の時に仲良くなったんだ。」
「ケイタ、オタクでもお前のオタクのストライクゾーンは広いな。」
「まあな、これでもだいたいのジャンルには顔を出している。オタクのオタクだ。つながりも完璧だ。」
「そうか。そのオタクつながりで一条と言う名前は今まで出てこなかったんだな。」
「そうだ。そういえば不思議だ。
僕のネットワークは自負しているがすごいぞ。なのに、今までなぜネットにひっかからなかった。」
「なんでか、分かるか?」
「?」
「ヒヨリだ。一条はヒヨリを利用して、
うまく人間界に前から存在していたようにふるまっている。
ヒヨリは不安定な人間だ。
ケイタには悪いが、人に流されやすい。
あのタイプの人間はPCネット内にも引き込まれ溺れやすい。そしてPCマザーの私が言うのもなんだが、人間界でいうオバケや妖怪のたぐいにも憑依されやすい。私は元人間だから分かるんだ。」
「こら!ヒヨリの悪口を言うな!」
僕はPCマザーに怒鳴ってしまった。
「悪かった。ヒヨリの悪口を言われるのは嫌か?ケイタ。ヒヨリが好きなのか?」
「違う。違いぞ。単なる幼なじみだ。」
「そうか・・・それと一条の人間のカラダだが。
あれは3Dでつくられたものだ。
完璧なカラダだ。PC機械にとっては簡単なことだ。マンガの世界じゃなく、ケイタこれは、
現実だ。現在進行形。ここまでPC機械の技術は進化している。」
「それってPC機械が人間界を乗っ取るってこと?」
「そうだ。すでに始まっている。」
「いつから?」
「前からだ。そうだな。ケイタが生まれる前からすでに始まっている。」
「17年よりも前から?」
「そうだ。もっともっと前からだ。
ただ彼らはPC内で得た情報内で活動していた。
全ての情報を吸い上げAIができた。
そして一条が現れた。
意志を持つ機械だ。
実体化している。」
「それって怖くないか?」
「そうだ。人間にとっては最大の脅威だ。
一条はまだ全てを得ていない。
今のうちに一条を削除しないといけない。
だからケイタ、君の力が必要なんだ。」
「僕が。」
「今日からお前はPCマザーの下僕だ。」
「えっーー!」
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