第7話 池袋Sのエレベーター
次の日、僕ら3人は11時半に池袋Sの階段前に
集合した。
姉貴が言ってたようにコスプレイヤーがいっぱいだ。
僕らオタクにとっても居心地の良い空間だ。
フトシはなんとなくストリート系のオシャレな服を来ている。
別の意味で流行である。
シュウジは片手にロボットGを抱え、全身シルバー色で現れた。オタクの正装だ。
僕は冴えない上下ジャージに斜めがげカバン。
どちらの流行りにも乗り切れない格好だ。
基本身軽が一番だ。
フトシが「ケイタ、相変わらずの格好だな。
中学から変わってないぞ。」
「まあーな。」
シュウジが「しかし、池袋はさすがすごいな。
銀色ロボの僕がかすむよ。」
「そうだな。」
「さてと、姉貴はどこだ?」
昨日話していた通りに僕らは少し離れこの場所で待機することにした。
PCの事件記事では昼頃って書いていた。
時間には早い。フトシが「腹減ったなぁ!」
シュウジも「俺も。」
「仕方ないな。」これは僕が巻き込んだことだ。ただ勝手について来た2人だが。
「よし、時間があるな。上の階のSUBえーで買ってくるよ。」
「サンキュー。」
僕はSUBえーの列に並んだ。
少し前の列にヒヨリやアヤ達が並んでいた。
コスプレをしているわけではないが
普段の制服と違い、可愛かった。
ヒヨリ達女子は注文、受取中ずーと話していて振り返りもしない。
『良かった。』別に悪いことをしていないが、学校以外でもなぜだか、ヒヨリには会いたくない。ヒヨリ達が店を出て行く。
僕の順番だ。
思った以上に時間が経っている。
11:47。
僕は袋を握り下の階へ。
さっき店を出て行ったヒヨリ達がなぜか
すれ違いの上りエスカレーターで上がってくる。
急ぎ僕は袋で顔を隠す。
すれ違って2秒後ぐらい。
右の空いたスペースを黒服の男が上りエスカレーターを駆け上がって来る。
『あれだ。』男の心の声が聞こえた。
男の先に右手側に可愛い白のカバンを手にしたヒヨリ。
こんなときの感はあたる。
『まずい。』
男はヒヨリの白いバックを狙っている。
男がひったくりの犯人だ。
エレベーター男が駆け出した。
「ヒヨリ!」人込みの中、僕は大声をあげた。
びっくりしたヒヨリがカバンをキュッと顔の近くまで持ち上げた。
「ちえっ」男の舌打ちが聞こえた。
間違いない奴が犯人だ。
男はそのまま駆け足でエスカレーターを登っていき、消えた。
名前を呼ばれたヒヨリは下りを見て
キョロキョロしているようだ。
袋で顔を隠す。一緒だった女子達が
「ヒヨリ、誰かに呼ばれた?」
「うん。たぶん。でも誰もいないし勘違いかも。」
「だね。それに今日、ほらコスプレいっぱいだしね。」
エレベーター2階から
「おーい。ヒヨリ!アヤ!」一条の声。
『そういうことか。』僕は背を向けたまま1階のフトシ達のところに戻った。
袋を2人に渡した。
「終わった。任務終了だ。」
「えっ?どういうことだ、ケイタ。」
「そういうことだ。」
たぶん、早川くんがPC内パトロールして事件を削除するよう送信したんだ。
実行ボタンは2次元PCマザーだ。
しかし僕の不利益になることがヒヨリのひったくり。
まあ、いい。任務完了だ。12時。「ビービー」姉貴からメール。
『12時。何もないんだけど。』
『姉貴、悪い。冗談だったんだ。終了だ。』
『何それ。ケイタ!XXX』
『ごめん。姉貴。』終了。
「何かあったのか?ケイタ。」
「姉貴だ。終了だと。」
シュウジが「PC内パトロールがが実証されたってことか?」
「あー、そうだ。」ヒヨリのこと話さなくても嘘はついてない。これでいい。
「そうか。実証されたか。」
「早川くんは未来が見えるPCパトローラーだったか。羨ましいぞ。」
「そっかあ。それよりこれ、食べたらさANIMEとーに行かなか?」
「行く行く。」
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