第4話 PCネット内の不思議
僕はフトシとシュウジが当たり前のように自分たちの推しのキャラがPCパトロールをしていることを話したことに驚いた。
「なあ、2人に聞くが、それって普通のことか?」
シュウジが「まあ、自分の推しのキャラが深夜決まった時間にパトロールしていることは、
みんな知ってるんじゃないのか?
もちろん非公開でさ。」
フトシが「でもさ、実際この話をしたのは今回が初めてだ。」
僕は思わず、「なんだそれ。」
シュウジが「正直、僕は自分のロボットGから
口止めされてた。」
「僕も同じ。モフモフのピロちゃんから
『口外したら私が消滅します。』って言われて
しかし、同じ状況の友には情報共有してもいいんだってさ。
なんか都合のいいよな。
僕、ピロちゃん消えたら・・・わあ!困る。
考えただけでショックだ。」
僕らのランニングスピードが少し落ちた。
「それに自分の好きなキャラから頼まれたら。
絶対守るだろう。」
シュウジも大きくうなずく。
「それに自分にしか見えない。
信頼関係だ。
それに基本オタクは3次元では口がかたい。」
「だから、キャラの人型情報、
PCパトロールのことも、今まで僕の所に入ってこなかったんだな。」
シュウジが「早川くんがブロックしてたんだろう。」
フトシも大きくうなずいた。
「なんだ。どういうことだ。」
「ネットって結局のところ回線はバラバラで 数え切れないくらいの見えない線がある。
世界中ネット回線が昼夜問わず、回っている。
ここまではわかるよな、ケイタ。」
今度はシュウジが少し偉そうだ。
「その回線をたどると、どうやら一か所に集まっているらしい。
2次元の彼らの手によって2次元にあるマザーPCへだ。」
僕は走るのはやめた。「えっ!なんだって。
どういうことなんだ。シュウジ。話を続けてくれ。」
「こらー、そこ、ランニングだ。
授業中だぞ、止まるな!走れー!」
先生の大きな声が飛ぶ。
僕は飛躍した、思いもよらない話で驚きで、
足が止まった。
「こらー!聞こえないのか。走れ。」
止まっている僕らの横をヒヨリ達、女子が抜いていく。
中でもギャル色が濃い、アヤが
「そこ、早く走りなさい。女子に抜かれて
どんだけ、とろいの?」
他の女子達も笑いながら僕らを抜いて行く。
もちろん僕はヒヨリを見ない。
「この話は後だ。フヨシ、シュウジ、走るぞ。」
フトシが「あと半周もあるぞ。歩きたい。」
シュウジも「フトシ、走らないとオタクは、
とろいってまた、アヤに言われるぞ。」
「わかった。」
フトシの足が動き出した。
「いいぞ、フトシ。」今度は僕が上から目線だ。
正直、このくらいのランニング、僕にとっては、大したことない。
自宅で毎日アスリート並のメニューをこなしている。
朝のフトシの僕の背中へのジャンプも70kg強、
たいしたことはない。
背筋で吹き飛ばせる。
僕はオタクのイメージを壊したくない。
ひ弱な方が何かと都合がいい。
それに卑怯かもしれないが、できるより
できない奴の方がこの世界は生きやすい。
「同志諸君、共感してくれ。
哀れなオタクに。」
フトシがツッコム。
「ケイタ、何をブツブツ言ってるんだ。
何か分からないが、同志で。共感するぞ。」
シュウジも「僕も共感する。」
「お前たち、まあいいっか。」
僕らはこんな感じで、やっとゴールした。
先生の声「冬の恒例の高校駅伝大会
代表は陸上部の上田。一条で決まりだ。
女子達のキャアーキャアーが一条を囲んで響く。
もちろんヒヨリもいる。
僕には関係ない。
フトシが「なあケイタ、さっきの話の続きだけどさ。
ケイタの早川くんにも会いたいしな。
今日土曜だろう。
学校の帰りケイタんち行ってもいいか?」
シュウジも「それいい。僕も行く。ケイタいいか?」
僕はニヤニヤしながら「いいぞー。」
と答えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます