第4話

「しかしお前のタイプがさ、安倉梨花だったのには驚いたぜ」

大西透が更衣室で練習用のユニフォームを着ながら言った。

「いつからだったんだ?」

「あー7月前かな?」

酷いものだ。

波音は小さく苦笑いした。

ズラリと並んだ誕生日のメッセージカードの中から一番派手で好みではないものを選んだ。

開いてみると安倉梨花からだった。

誰でも良かった。

2人をちゃんと結ばせられるなら。

俺に恋人がいる事にしないと、彼奴は絶対に告白しない。


波音は部室から出て来ると、早速学校の周りをランニングし始めた。

ランニングが終わると、準備体操に入る。

既にキャッチャーの宮本克樹は準備体操を始めていた。

そしてマネージャーの小川真愛は大きなやかんに冷たい麦茶を用意していた。

準備体操が終わると、バッティング、ノックと練習は続いていく。

「きゃー!波音君!頑張って!」

グランドの周りには女の子達が集まって黄色い歓声を上げ続けている。

その頃、梨花は演劇部にいて劇の稽古をしていた。

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