第2話
「波音ー!」
梨花は学校の廊下でも平気で腕を組んで来た。
「安倉、此処学校だしさ」
「梨花って呼んで」
梨花はベタベタと甘えて来た。
「…… 」
「梨花って呼んでくれるまで離さない」
「分かった。梨花」
「はーい」
甘ったれた眼差しで梨花は波音を見ながら言った。
「波音君、日直でしょう?山中先生が呼んでたわよ」
小川真愛が声を掛けて来た。
「ちょっと小川さん、私の波音を気安く波音君なんて呼ばないでくれる?」
梨花は更に波音の腕に身体を押し付けながら言った。
「今までとは違うの。波音は私のなんだから」
梨花は不機嫌そのものの顔をする。
「ごめんなさい。じゃあ伝えたわよ」
真愛はそのまま、教室の中に入って行った。
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