第14話

悠乃と篤哉の初デートの日が来た。

今、流行りの映画を見て街を歩く。

特に映画以外に予定は立てていなかった。

街を歩いていると、何人もの女性達が足を止めて篤哉を見ている。

「ねえねえ、上野篤哉じゃない?」

「ほら見て!モデルの上野篤哉よ。素敵ー!」

「隣にいるデブ何?まさか、彼女じゃないよねー」

街行く人達が篤哉を見ていても、篤哉は平然としている。

「ダメだよ。悠乃。慣れないと。芸人はモデル以上に人に関わる仕事なんだから」

篤哉ははっきりと言った。

そして悠乃の手をしっかりと繋いだ。

「ね?俺と一緒だから大丈夫だろう?」

篤哉の言葉を聞いて、悠乃の瞳に涙が浮かぶ。

そして大きく頷いた。

悠乃と篤哉はデパートに入った。

「悠乃。初デートの記念に、何か買ってあげるよ。何がいい?」

「上野さんは仕事で海外へ行く事が多いから、ペアの何かが欲しいな」

悠乃はドキドキしながら篤哉を見た。

「いいよ。何にしようか」

2人はジュエリーコーナーに行った。

金や銀の指輪、ブレスレット、ペンダントなどが並んでいる。

「ペアリングにしようか」

2人が選んだのは銀のペアリング。

弓なりのカーブのデザインで、彼女の方に三つの宝石が付いている。

「こちらはエターナルジュエリーとなっております」

悠乃の指が太いので、サイズ直しが必要だっ

た。

後日取りに行く事にして、他にキッチンコーナーでおたまを買ってもらった。

おたまは毎日使うから、これなら海外に行っている時も、毎日篤哉を感じる事が出来る。

それからまた2人は街を歩いた。

デートの間中、2人の手は片時も離れる事はなかった。

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