第13話

篤哉はタクシーで、悠乃のアパートの前まで送ってくれた。

ケータイ番号の交換をしただけである。

「来週から撮影でロンドンへ行くから2週間は帰れない。明後日デートしよう」

篤哉はそういうと笑顔を見せた。

「はい」

悠乃は返事をするとタクシーを降りた。

「有難う御座いました。おやすみなさい」

「じゃあおやすみ」

タクシーのドアが閉まった。

そしてそのまま、夜の道に消えていったのである。

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