第7話

7月の半ば。もうすぐ夏休みが来ようとしたある日曜日に、萌は映画館の前に立っていた。

髪は元気なショートカットで、先日買ったワンピースを着ている。

待ち合わせの時間は午前10時。

今は9時50分だ。

萌は白いバックから手鏡を出すと、髪を手で直した。

そうしていると、足早に真尋が歩いてきた。

「お待たせ。待ったか?」

「ううん。今来た所」

萌は笑顔を見せた。

真尋は何も言わずに萌を見つめた。

「可愛い!そのワンピめちゃ似合う」

「ありがとう……!」

萌の心臓は早鐘のように鳴った。

「映画さ……セブンアクションでいいかな」

「うん。アクション好き」

「良かった」

真尋と萌は並んで映画館に入って行った。

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