第18話

幸と涼真は渡月橋を渡った。

2人の手はしっかりと握られ、片時も離れる事はない。

だが観光客だろうか、女性達はみんな涼真を振り返る。

「素敵!あの男の子!」

「見て見て、あの子凄くカッコいい!」

「隣にいるブス何?」

「まさかあのブスが、彼女って事ないよね」

そんな声が聞こえて、幸は段々俯いてしまう。

「幸。俺だけを見てろよ」

「うん」

涼真は幸の手を握る力を強めた。


嵯峨野の竹林の中は静かだった。

幸も涼真も穏やかな空間を歩いていた。

涼真は不意に幸を抱きしめた。

「東京に行く前に幸を抱きたい」

幸は涼真の腕の中で、顔を赤くしている。

「うん」

幸はドキドキしながら頷いた。

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