第1章 手言葉

第3話

高校の入学式の日だった。

真新しい濃紺のブレザーにグレーと青のチェックのスカート、青のリボンの制服に身を包み、笑里はドキドキしていた。

笑里はストレートボブでとても可愛い。

男子生徒の何人かは早くも目を付けているが笑里には興味がない。

笑里は中学の頃から陸上部だったので高校でも引き続き陸上部に入った。

そして同じく陸上部で同じクラスになった森田愛永(まなえ)と仲良くなった。


早速新入生テストで100m走があり、

笑里は12.21、愛永は12.19だった。

他の1年生はみんな13秒台である。

「今年は中々楽しみなのが入って来たな」

顧問の岡崎はそう言って笑顔になった。


1年生の学力を見るための新入生テストがあった。

結果が廊下に貼り出される。

笑里は20番、愛永は21番である。

愛永は思わず笑った。

「私達ってライバルになる運命みたいね」

「本当!」

「ねえ、うちにおいでよ。一緒に宿題しよう」

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