第3話

日曜日のレストランは混んでいる。

開は小遣い稼ぎの為に日曜日には皿洗いのバイトをしていた。

親の方針で、高校から小遣いは一切渡していない。

「はい。福山君、お願いね」

残飯を捨てた後、空になったお皿を流しに重ねながら奈緒は言った。

姫野奈緒。

同じクラスの子だ。

可愛いので男子の人気も高い。

高校のマドンナ的存在だった。

みんなには名字の一字を取って姫と呼ばれていた。

開が奈緒の顔を見ると、奈緒は笑顔を見せた。

「休憩まで後10分。頑張って」

「ありがとう。姫野も」

「ねえ、一緒に帰らない?方角同じだよね」

開は思わず皿を落としてしまった。

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