第18話

「乗っていきませんか?翔真もこの後仕事ないし、送りますよ」

現場を後にしようとした麻紀は藍崎から声を掛けられた。

「でも…… 」

麻紀が躊躇っていると、翔真が言った。

「乗っていけば?」


麻紀は助手席に、翔真は後部座席に座り、車は走り出した。

麻紀は緊張していた。

だが、翔真は車に乗るとすぐに寝てしまった。

麻紀は寝ている翔真を起こさないように小声で言った。

「疲れてるんですね」

「連日の過密スケジュールと学校でハードですから」

麻紀は黙って頷いた。

それから何も喋らずに、車は翔真のマンションの前に着いた。

「翔真を部屋に送りますのでちょっと待っていて下さい」

「お疲れさまでした」

麻紀は翔真に言った。

「夏目さんこそお疲れさま」

翔真はそう言うと、藍崎と共にマンションの中に入ってしまった。

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