第17話

麻紀は間近で矢崎翔真を見る事が出来て感激していた。

スタッフから差し入れを配られたのだが、メインキャストのみで麻紀の分はなかった。

麻紀は気にせず台本を読んでいた。

其処へ、ビニールに包まれたお饅頭が差し出された。

麻紀は顔を上げると、其処には矢崎翔真が立っていた。

麻紀は驚いて言葉も出なかった。

「まだ貰ってないでしょう?」

「あ、有難う御座います」

麻紀は声が上ずっていた。

翔真は柔らかな笑顔を見せると、他の共演者達の所に配りに行った。

麻紀はドキドキしながら、翔真をずっと見つめていた。

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