第10話

ドラマの撮影が始まった。

主演の碓氷愛奈と麻紀は絡みがある。

高校の友人の一人だ。

「よろしくお願いします」

麻紀は愛奈に挨拶に行った。

「こちらこそよろしくお願いします」

愛奈は丁寧に挨拶を返してくれた。

カメラテストが終わり、いよいよ本番だ。

麻紀はドキドキしながら、自分の出番を待っていた。

都内の喫茶店での誕生日会で、ヒロインにプレゼントを渡す。

「おめでとう、亜美。」

「有難う」

他の友人達も、ヒロインに次々にプレゼントを渡して行く。

次のシーンは相手役の加藤との絡みのシーンである。

「ねえ、向こうで一緒に話さない?」

「いいねー」

「行きましょう」

其処にヒロインがやって来る。

「悪いけど、彼、私のものなの。手を出さないでくれる?」

そして唖然としている中で、加藤を連れて行かれる。

「いつの間にそんな事になってたの?」

「はい、OK。君なかなか良かったよ」

麻紀の出番はこれで終わりである。

後は亜美を、他の女子高校生と一緒に盛り上げる。

喫茶店のシーンが終わると、友人役の人達は一斉に控室に向かった。麻紀も車で移動した。

華やかなワンピースから、TシャツとGパンに着替えると、麻紀は夜の道を帰って行った。

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