第21話

玄関を抜けてリビングに入った瞬間、晃也は声を上げていた。

そこは20畳ほどの広い空間で、ゆったりとしたペールピンクのソファに白いラグ、白い丸テーブルがあり、ミルク色のカーテンが風に靡いていた。

そして白いチェストの上にはピンクのガーベラとかすみ草が飾ってあった。

「座って」

愛は白いキッチンから声を掛けた。

濃いピンクのケトルでお湯を沸かしている。

「コーヒーでいい?」

「うん。ありがとう」

晃也は漸くソファーに座った。柔らかくてとても心地が良い。

まもなくピンクのマグカップを2つ持って愛がやって来た。

晃也は思わず笑った。

「何?」

愛はそう言いながら晃也の隣に座った。

「愛ちゃんはピンクが好きなんだね」

「うん。だって可愛いし」

コーヒーを飲み終わると、愛がトイプードルのゆららを抱いて来た。

色は茶色でぬいぐるみのように可愛い。

「抱いてもいい?」

晃也は愛からゆららを抱き取ると、ゆららの頭を何度も撫でた。

「可愛いな」

「ゆららも芹沢君に抱っこされて喜んでるよ」

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