第12話

お盆明けの8月16日から8月31日まで北見高原で恒例の夏合宿があった。

朝練は早朝5時から始まり、1時間のジョギング、その後、ストレッチを熟し、7時から朝食を食べる。

午前中の練習は400m×15本のポイント練習を行った。

そして昼食を食べて午後の練習。

北見高原は高低差が激しい。その道を部員達は走っていた。

歩希もこの合宿で自己ベストを1秒上回るタイムが出せた。

去年は1年生だったから上級生のユニフォームの洗濯などの仕事があり、仲間と協力してやった。

同級生の中に阿部という部員がいて、歩希は阿部の賢明な練習を見たり、陸上への情熱を知り、自分も負けられないと思った。

阿部は高校から陸上を始めたが、県大会では5000mで2位と大健闘だった。高校駅伝では7位だった。

1年生が、大きなバケツに水を張って運んで行く。

練習を終えた先輩達の足のアイシングのため

だ。

歩希は一生懸命に頑張る1年生の姿を見ながら昨年の自分を思い出していた。

「歩希、どうした?」

阿部が背中をポンと叩く。

「いや、何でもない」

2年生の順番が来て、歩希達もアイシングをした。

既に水が少し生温いがそれは仕方がない。

熱を持った足がスッと冷えて落ち着いて来た。

こうして夏合宿は続いた。

選手達はそれぞれのタイムや目標を持って合宿を熟して行ったのである。

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