第11話

明和大学陸上部ではインターバルトレーニングに力を入れている。

高強度インターバルトレーニングでは

400mを10本ダッシュの時はゆっくり100mのジョギングを間に挟んでまた400mをダッシュする。それを交互に繰り返す。1000mを10本ダッシュの時も間にゆっくりのランニングを挟む。

強弱をつける運動を行うため、普通の有酸素運動よりも短期間で効率的な効果が認められる。


他にも学校の周りの坂道のランニングや、起伏のある場所でのジョグやダッシュなどのトレーニングを行うなど、練習メニューは多彩だっ

た。

選手達は毎日ただ同じメニューを熟すのではなく、個人にあった練習メニューを熟していた。

歩希は今年も箱根に向けてトレーニングを積んでいる。


「あー熱ィー!」

ランニングから帰って来た部員達はグランドの上で大の字になった。

そこへ3人のマネージャー達が順番にスポーツドリンクを配って行く。

歩希には咲香がスポーツドリンクを配った。

此処で水分補給しておかないと、脱水症状もしくは熱中症になる可能性もある。

歩希はドリンクを何度かに分けて飲んだ。

「歩希、お前、また早くなってない?」

「秋山先輩こそまたタイム上がってますよ」

陸上選手は常にタイムとの闘いである。

そして1秒の遅れが箱根への道を閉ざしてしまうのだ。

その前の予選会を突破しなければ箱根に出場する事は出来ない。

今年も箱根に選ばれるためには少しも気を抜く事は出来ない。

予選会で11位以内に入らなければ本戦には進めない。

目標は5位以内と考えていた。

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