第10話

木曜日の放課後、春風高校の正門前には男子生徒達がひしめいていた。正門前には真っ赤なスポーツカーが止まっていて、その前で真輝と22、3歳ぐらいのストレートボブの美女が抱き合っている。

美女は真輝の柔らかな髪をかき揚げながら、真輝を甘く見つめている。

「ねえ……真輝、逢いたかったわ」

美女は真輝の首に手を回したまま、真輝の唇にルージュに濡れた唇を覆うように押し付けて来る。

「嘘だろー。あの美女が相生の女⁉︎」

「1年のくせに羨ましすぎるだろ!」

男子生徒達は堪らずにボヤいている。

そんな周りの状況を全く気に留める様子もなく、真輝は美女と濃密なキスを始めた。

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