第6話 ガイアの章:旅立ち編
村を出ようとすると、後ろから呼ばれた。
「ガイアー、ちょいとお待ち」
母親が駆け寄ってくる。
「かぁさ・・・おばさん。何か用?」
「あんた旅に出るんでしょ。お弁当用意したから持ってお行き」
「ありがとうございます」
礼を言うと村を出た。
ガイアの章:旅立ち編
セイドさんはナトリに向えと言っていたなぁ。
よし、ナトリを目指して出発!
・・・って、ナトリってどこだ。
ギルドに入るまで村の外にも出たことすらなかったのに他の村や街の場所がわかるわけが無い。
このまま道なりに進んでもゴブリのアジトに着くだけなので反対側に移動してみよう。
草原が広がる景色の中に人が往来した形跡があるのでこのまま道なりに進めばどこかにたどり着くだろう。
ガイアさんの姿を借りているからなのか気が大きくなっているのかもしれない。
メムロのままだとこのような行動を取っていただろうか。
いや、そもそも、なんで自分はこんな体質なんだろう。
と、あれこれ考えながら進んでいくと道は森へと繋がっていた。
ここもピグのようなモンスターの縄張りなのだろうか。
慎重に進んでいくとキノコ状のモンスターが現れた。
本で見たことがある。
確か、マルム。
時折出してくる胞子を吸い込むと危険だが、それ以外は特に気をつける点はないはず。
バッサバッサとマルムをなぎ倒し道を進んでいく。
「!」
道が二手に別れている。
看板は・・・腐っていて読み取れない。
前に進むか右の道に進むか。
目を凝らしても木々があるだけでどちらも先が見えない。
よし、考えていても仕方が無い。
運命を天に、いや剣に委ねるか。
地面に剣を刺して倒れた方に進む事にした。
パタン。
剣は前向きに倒れた。
前に進もう。
途中でマルムや、空を飛ぶ鳥状のモンスター、バトーが現れたがまだまだ楽勝。
本当はガイアさんの実力なのでなんだかずるい気もするがコレはコレ、ソレはソレ。
まっすぐだと思っていた道は徐々に左へと曲がっている。
この道が当たりかハズレかはわからない。
とにかく道なりに進むのみ。
ハァハァハァ・・・
なんだか身体が重たく感じる。
空気もよどんでいる気がする。
右側の方に沼のようなものが見える。
ハァハァハァ・・・
さっきまで楽勝だったマルムを倒すのも時間がかかるようになってきた。
疲れとは違う何かが身体におこっている。
それが何かはわからないがとにかく前へ前へと進む。
ゲルが現れた。
しかし、村の近辺に居たゲルとは違う色。
新種か!?
ハァハァハァ・・・
身体は重いままだが倒すしかない。
基本はゲルと同じ・・・はず。
剣を振ってゲルを攻撃する。
あっけなく倒せたが、気がつけばゲルに囲まれていた。
すると1匹のゲルが何かを飛ばしてきた。
とっさに盾でふせぐことが出来たが、避けた方がよかったのかもしれない。
盾に当たったそれは破裂し身体の周りの空気が一気に変わるのを感じた。
「もしかして、毒!?」
身体が重く感じたのも、空気がよどんだ感じだったのも、全部毒の影響だったのか。
ハァハァハァ。
まずい、毒を治す手段を用意していなかった。
剣が重く感じる。
懸命にゲルを倒し続けるがキリがない。
攻撃を喰らう事は無いが体力が減っていくのを感じる。
ハァハァハァ。
このまま死んだら僕はどうなるんだろう。
そろそろ限界も近い。
ゲルの体当たりを盾で防いだが、身体が後ろに倒れる。
ここまでか・・・
と、その時、身体の周りが光に包まれた。
パーッ!
ん?身体が軽くなった。
「ほらほら、ぼーっとしない。さっさとゲルを倒して立ち去るよ!」
声の方を向くと髪の長い人が居た。
ガイアの章つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます