第11話 襲撃

 これまで何度となく抱いた疑問を、問うべきなのか躊躇うも、思い切って尋ねた。


「君たちは、人間なの?」

「……もちろん人間よ」

 

 知り合ってから、どれほども立っていない。


 はっきり言って、知り合い以前の問題だと、言えるほどの短さだ。


 けれど、なんとなくだが、彼女が嘘を言っているようには思えないのは、俺の欲目からくるものなのだろうか?


 人間であるとするならば、何だというのか、彼女も彼等も……


 尋常でない強さに、見た事もない高度な科学技術。


 どこかの軍事関係か?


 見た感じ、国外の人間のようには見えない。


 でもこの国の軍事力は、数年前から衰退しているはず。


 予算も国防全振りで、力のない軍事科学の発展が、ここまであるとは考え難い。


 そもそも、たとえば人間ではないのだとしたら、何だというのか?


 この高い知能、技術をとってしても、一般的な人間でないことは分かる。


 宇宙人?そんな馬鹿な。


 絶対にないとは言い切れないが……


 生きている間に移動できる範囲内で、地球に一番近い星であること。


 ここまで俺達人間に近い、もしくは、それ以上の知能を持つ生命体が、存在している惑星であること。


 ここまで条件を揃えると、考えにくのではないか?


 まあ専門外だから、はっきりとはわからないが……


 ではヒューマノイドロボット?


 いや彼等はちゃんとした血、肉が見てとれた。


 わざわざ、人間らしく見せるために、血や肉を偽装することも、できなくはないが、必要だろうか?


 傷つくことが分かっている、先程のような戦闘任務(?)を、行使する人達にまで適用する必要があるのか、甚だ疑問だ。


 あと考えられるとしたら、未来人?


 馬鹿馬鹿しい。それこそ机上の空論と言いたい。


 だがしかし、無くはないのか?


 意外とあり得るのかもしれない。


 可能性としては、一番近くはないだろうか?


 あの空間に関する認知度。


 あれほどまでの、時間や空間に関する技術を、持っているのだから……


「君は……君達は、未来人?」

「……」


 沈黙は肯定と、とっていいのだろうか?


 驚き、戸惑う彼女に、俺は出会って初めて、ニッコリと微笑んだ。

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