第7話

「こいつ、俺の可愛い彼女なんだよねー。 ごめんね?森川くん。」




謝る気のない棒読みで言った一言に。


周りはざわつき始め、私は茹でタコのように顔を真っ赤にした。



こいつ…私の心臓壊す気だ。


…というか。せっかく周りに黙ってたのに…。


周りからの質問に耐えられず、彼の腕から抜け出して、教室を後にした。









どこに行こうか迷った末、着いたのは屋上。


屋上で座り込んで蹲ると、後ろから



ーガチャ


というドアをを開ける音が聞こえてきた。


誰か、なんてそんなの振り返らなくても分かる。




「涼翔…」



そう呼びながら後ろを振り返るとやっぱり。


超絶不機嫌な私の彼氏さんがいた。




「あの…ごめんね?」



「…何が。」




そう返ってくる声はとても低くて。


怒ってるなぁ、なんてことを呑気に考えた。




「ちゃんと自分で断れなくて。


バレちゃダメだ…って思ったから。」

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