第6話

森川くんは、クラスの中心にいるタイプの人で、友達が多い。


鈴谷真人に似てる、と女子の間で密かに話題になった人だ。


…私は似てるとは思わないけど。



と、そんな事を考えているうちに、森川くんは私の前に立った。




「えっと…増山沙夜さん。


好きです。付き合ってください。」



「…っ!?」




何この公開告白っ!?


私が真っ赤になって何も言えないのを見て、周りが囃し立てる。


まだ返事もしていないのに、告白が成功したような空気。



なんか断りづらくなっちゃった…。


そう思いながらチラッと涼翔の方を見ると。


うわぁ…怒ってる。絶対不機嫌だ…。



涼翔は、私と目が合うと、『あほ。』と口パクで言ってくる。


わたしがそれでもなお、何も言えずにいると。


盛大にため息をつく声が聞こえてきた。



ウソ…呆れられちゃった…?


涙が出そうになる顔を見られないように俯くと。


私を後ろから抱き締めながら、涼翔は不機嫌に言い放った。

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