第18話【二期生のマネージャー】
「おはようございます」
日曜日、俺は再びブイラブ事務所に来ていた。
「おはよう彼方くん」
案内された部屋に行くとお馴染み二期生の皆が居た。
突然昨日ルナちゃんからメッセージで明日もし何も予定がなかったら事務所に来てほしいですと言われただけなのでなんで呼ばれたのか俺はまだ分かっていない。
「ごめんね彼方さん急に呼び出しちゃって」
「いえ、基本暇なので大丈夫ですよ」
すると雫ちゃんがゆっくりと立ち上がり俺の元へとやってきてポンッと肩に手を置いて来た。
「彼方くん? このメッセージは何かな~~?」
そう言って見せてきたスマホには俺がこの前神星でユグドラシルを二枚引きした時に送ったメッセージが映っていた。
「あ、あーそれは……えーっと」
「ん~? 何かな~~?」
雫ちゃんは満面の笑みを浮かべながら聞いてくるがどう考えても怒っている。あの時見たルナちゃんの笑みと同じだ。
「今なら私のお願い一つだけ聞いてくれるだけで許してあげなくもないんだけどなぁ~」
「えーっと……なんでも仰ってください……」
「私とのホラーゲームコラボは勿論なしにしてくれるよね?」
「そ、それは……」
「こらっ! 彼方くんを困らせないの!」
「彼方さん。雫ちゃんには勿論こわーいホラーゲームをやらせてくださいね」
「やだやだやだーー!」
そんな事をしていると、ドアが開いて社長と一人の女性が入って来た。
「……君たち彼方くんを囲って何してるの」
「しゃちょー彼方くんがいじめてくるんですー!」
「はいはい分かったから座って」
そう言われると雫ちゃんは頬を膨らませながら席に座った。
「急の呼び出しごめんね彼方くん。今日はちょっと彼方くんに紹介したい人が居て」
そう言うと社長の隣に立っている女性が少し前に来て口を開いた。
「初めまして、星乃彼方さん。私は二期生のマネージャーを務めている
そう言って朝比奈さんは頭を下げた。
「お、俺にマネージャー……あ、こちらこそよろしくお願いします」
そ、そうだよな。事務所に所属するならマネージャーさんはつくよな……。
でもなんだか俺にマネージャーがつくなんて考えられないな。
「早速なのですがこちら彼方さんのスケジュールになります。もし不都合などがありましたら言っていただければ組み直します」
そう言って渡された一枚のプリントを見ると、ぎっしりと詳細に予定が書かれていた。
「因みに早速なのですがこの後ルナさんの記念配信についてのお話をしたいと思っているのですがお時間大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」
そして社長は他の用事があるからと部屋を出て行き、俺達は記念配信についての話しを始めた。
「ルナさんの登録者の伸び的に、このままいけば二か月後には必ず百五十万人は突破します。そして彼方さんの3Dモデルも最優先で作っていますので順調にいけば二か月後には完成しています」
ブイラブで登録者百五十万人は初めての事なので運営の人も気合が入っているのだろう。
「次に記念配信に来てくれるライバーさん達は今のところブイラブメンバーは全員。他事務所の【ブイプロ】の
「そんなに来てくれるなんて嬉しいな~」
ブイラブメンバー全員が来てくれる。これだけでルナちゃんがどれだけ好かれているかが分かるな。
「一期生の方とは月宮ルナをどれだけ知っているのかクイズ。二期生の皆さんは学力テスト。三期生の方とは格付けチェック。四期生の方とは水平思考クイズ。ブイプロの方、そして彼方さんとは二人一チームになってもらって全国ゲーム対戦39をプレイ。ルナさんの希望通りの予定で行きたいと思います」
「ありがとうございます」
「そして歌のセットリストなのですが決まり次第送っていただきたいです」
「はい、分かりました」
「記念グッズの方はこれで最終決定で大丈夫ですか?」
それからも記念配信について幾つもの最終確認、質問等が話された。
「それではこれにて記念配信の話しは以上です。次に雫さんに一つ依頼が来てます」
「私に? なになに~?」
「二週間後にVTuber学校で特別ゲストとして生徒からの質問だったりVTuberとしてお話をしてほしいという依頼が来ているのですがどうしますか?」
「VTuber学校? なにそれ凄く楽しそう! 勿論やる!」
俺も初めて聞いたがVTuber学校なんてものがあるのか。
それほどまで今はVTuberになりたい人が多いって事なのか。
「分かりました。では向こうとの話は付けておきますので詳細が決まり次第お伝えしますね」
「はーい!」
それを最後に朝比奈さんはお辞儀をして部屋を去った。
「へーVTuber学校ってどんな事学ぶんだろうね」
「ふ~ん。雫ちゃんがVTuber学校で特別ゲストね~」
アリスちゃんはそう呟きながら何やら笑みを浮かべていた。
な、なんか嫌な予感がする……。
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