6 デスゲームの開始と終了③
そうして四人は、広間に向かった。
「おっと」
四人が腰を掛けようとしたとき、老人が座り損ねて尻もちをついてしまう。
そばにいた子供が見かねて老人に肩を貸す。子供は年齢に反して腕力があった。軽々と老人を引っ張り上げて椅子に座らせる。見ていた二人は、この子供も凶器によっては不意打ちで人を殴り殺すくらいは出来ると気が付いた。
「イタタ……体が弱くて。ありがとう」
一方の老人は、とても腕力にものを言わせる殺しができるとは思えなかった。実際、自由に動ける人間に対して不意をついたとしても、撲殺や殴殺することは不可能だった。
男は隣に座っていたにも関わらず手を貸さなかった女を一瞥する。女はギプスを巻いて首から吊り下げた右腕を掲げる。ギプスには血が滲んでいた。どうやらその怪我が免罪符のようだった。
四人がテーブルの席に着いたところで、機械音声のアナウンスがあった。
『デスゲームの開始から二十分が経過しました。配布された武器を公開します』
広間の奥にある大きなモニターに、文字が表示される。
武器:
・スリングショット
※弾は三十発
・猟銃
※弾は十発
・毒薬
※十二錠。致死まで三十分
・バール
※補足事項なし
・ロープ
※長さ二十五メートル
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