第23話踏んではいけない少女。

(俺「猫泣トンネルのせいで全然寝れなかった…」

猫泣トンネルのせいっていうのは、昨日俺とシャナ、シンでいった心霊スポットだ。あの場所を寝るときになって思い出してしまう。そのせいでまともに寝れなかった…。

(シャナ「私も寝れませんでした…寝不足ですよ…」

シャナも俺と同様寝れなかったようだが…シャナは夜中の間ずっとリビングでテレビを見ていた。怖さを紛らわそうとしてたんだろうけど…リビングの明かりも付けてたし…俺が寝れなかったのはそのせいでもある。

(俺「えっ…と…今は5時か…」

朝の5時…。まだ外は暗く朝とは言い難いが…6時半あたりから明るくなるだろう。

(シャナ「あぁ〜!まだ怖いですよ…アリスとサソリさんはやく起きないかな」

(俺「いやいや俺がいるだろ? 」

(シャナ「たいきさんはちょっと頼りないです」

いやぁ…こいつもはっきり言うもんだな。ならシンに心霊スポットでカメラ探そうって言われた時に断れたんじゃないのか???

(俺「アリスたちも起きるの遅いだろうし…もう暖房付けよ」

最近の寒さは暖房なしではやっていけない。俺は少しでも俺のためにあるらしいお金を使わないように暖房も冷房もあまり使用しないようにしてるが…もうそろ無理だ。

(シャナ「暖房は暖かくなるまで時間がかかりますからね〜。」

(俺「まぁそれはしょうがないだろう…てか、シャナの世界では暖房なんてないだろ?」

(シャナ「はい!ないですね〜こんなハイテクなものは。火を使った暖の取り方しかないです」

シャナの世界はどういった時代なんだ?中世ヨーロッパとかかな?話を聞くには日本ぽくはないが…。まぁそれは名前からして分かることだけども。

(俺「火を使ったか…そういえばストーブとかこの家ねーな…。買ったほうがいいかな…それにコタツとかも」


ピンポーン。


(俺「…おいおい…なーんか前もこんなシュチュエーションなかったか?」

シンやギャル美であってほしいが…どうだろうか?でも律儀にインターホンを押してくれている。ヘビ兄弟もそうだったな…。

(俺「うーす…どちらさんー?」

ガチャ。

おっ…シンでもなけりゃギャル美でもねー奴がいるな。ヘビ兄弟でもない。もしかして新手か?玄関に立っているソイツはシャナよりも背が小さい少女。中学生と言われればそう思ってしまうほどの見た目。服装は…これ地雷系ってやつか?黒とピンクの混ざったワンピース?それにリボンまでついてやがる。うん。地雷系だな。しかも髪型はボブとロングの間…?髪はツヤツヤな黒髪に一部だけ紫色のメッシュ。

(地雷系少女「おい。アナタでしょ?私の弟たちが世話になったの。」

(俺「へ?」

弟たち…?俺の知っている奴らの中で弟たちッて言ったら…ヘビ兄弟しかいねぇ。でもこの子は姉というよりは妹っぽいけども。

(地雷系少女「へ?じゃねーよ。アンタだって聞いてるよ?この家ってのも分かってるんだからね。」

うわー。なんか高圧的な少女だな?アリスに近い気もするけどなんかアリスよりもトゲがあるぞ。

(俺「も…もしかしてヘビ兄弟の姉でございますかね?」

俺としたことがこの子の威圧感に押され敬語になってしまった…。情ねぇ!

(地雷系少女「やっぱわかってるじゃん。そうよ。で?シャナ姫はどこ?」

やっぱヘビ兄弟の姉かよぉ…。これはめんどそうだな。ぱっと見は普通の地雷系少女だが、ほんとは腰辺りにヘビの尻尾があるんだもんな。

(俺「えーと…シャナはちょっと…」

ここはハブらかそう!それに俺は寝てない。今、戦闘に入るのはごめんだぞ!。

(地雷系少女「はぁ?いるんでしょ?はやくだしなよ。痛い目見るわよ?私は弟たちより強いんだから」

まじか?この見た目でアイツらよりも…?

(俺「………アリスぅぅぅぅぅ!!!」

(地雷系少女「!!!」

ここはダサいがアリスに助けてもらうしかない!

(アリス「おい。うるさいぞ覗き魔め。」

の…覗き魔?もしかして風呂場でのことか?あれは別に覗きじゃ…

(地雷系少女「!…アリス…弟たちの話は本当だったんだ…残念だよ」

!もしかしてこいつらは知り合い同士か!?


(アリス「…やっぱ来てたのか…ヘビィ。」

ヘビィ…この地雷系少女の名前か?コイツらはやっぱり知り合いだったようだがどういう関係だ?。

タッ。

アリスが天井から降りてヘビィの方へ。

(地雷系ヘビィ「ねぇ…アリス?弟たちにアンタが裏切ったって聞いてすごくショックだったよ?なんでそんなことしたの?もしかしてこの人間に脅されてるの?私が協力するよ?」

(アリス「私は別に裏切ってなんかいない。それに山本たいきは私を脅してもいない。」


(地雷系ヘビィ「それは無理があるよ…アリス。アナタが王様の命令に背いているのは事実じゃん。国への反逆だよ。いくらシャナ姫のお願いだとしても。私と弟たちで国へ戻ってアナタの裏切り行為を報告する」

…ん?裏切り行為を報告…?じゃあまだヘビ兄弟たちは国へ帰ってなかったのか?!。まだ王様へアリスとシャナのことは伝わっていない。このヘビ一族三人をどうにかして説得すれば…。


(地雷系ヘビィ「…アリス?私たちの仲だからさ、もしシャナ姫を大人しく渡してくれるなら王様への裏切り行為の報告はやめるよ?どうする?」

(アリス「悪いがそんな話には乗らない。私はシャナをあっちの世界へ返す気はない。」

(地雷系ヘビィ「あっそ…残念。私たちいい友達だと思ってたのになぁ…」

まずいな…アリスはきっと話にはのらないと思ってたけど…これは戦闘になるパターンか?!

(アリス「で…ヘビィはどうするの?このまま帰る?…それとも力付くで私からシャナを取り上げる?」

なんだ…アリスの言葉がいつも以上に重いぞ…。サソリ男やヘビ兄弟と対峙したときとは違う…異様な…いろいろな感情が混ざった異質な空気。


(アリス「どうする…?」

(地雷系ヘビィ「………じゃいっか。別に」

(俺「ふぇあ?」

(地雷系ヘビィ「私は友達を傷つけてまで任務を遂行する気はないもん。」

(アリス「…それだとお前も私と同じ反逆扱いになるんじゃないのか?」

(地雷系ヘビィ「そうだろうねー。でも殺されたりはしないでしょ。」

軽っ。なにこれ軽っ。こんなノリでいいのか?!怪しいゾッ!

(俺「アリスっ!コイツはきっとお前を油断させてヤルつもりだ!」

(アリス「………」

(地雷系ヘビィ「はぁ?人間は黙ってろよ。うるせぇぞ」

(俺「あっ…」

威圧感がすごすぎて押されてしまぅ…。言葉の圧が異次元だぞ。


(ヘビ兄「お…おい!姉貴!何いってんだよ!早くアリスさんを倒せよ!」

あ…ヘビ兄弟の兄じゃねーか。コイツ隠れてやがったな?

(地雷系ヘビィ「アリスを倒すー?そんなひどいことお姉ちゃんはできないよー。わかってるでしょアンタたちも。」

(ヘビ兄&弟「ぐ…ぐぬぅ。」

なんだ弟もいたのか。ヘビ兄弟は姉には逆らえないようだな…?これはラッキーだぜ。


(俺「なぁ?国へ戻って王様へ報告するのはやめてくれるのか…?」

(地雷系ヘビィ「…さぁね。それはアンタに言う必要ないでしょ。」

うっ…でもこの感じは言わなそうか?

(アリス「…私を倒せないのなら、どうするんだ?それでもシャナの奪還の任務は続けるのか?」

(地雷系ヘビィ「…まぁ…シャナ姫とは遊んだこともあるし…少しだけだけど。連れ帰るのはやめるよ」

なっ…ヘビィたちがシャナのことを諦めてくれればいいとは思ったものの、こんなあっさり?!

どんだけアリスのこと好きなんだ?それともただ友達思いなだけ?


(ギャル美「あれ…たいきっちー?」

あっ!まずい!ギャル美!?

(ギャル美「この人たちだれー?友達ー?…って!アリスっちの隣にいる地雷系女子は!誰!?」

(地雷系ヘビィ「?!私?!!」

タッタッタッ。

ギャル美が猛スピードでヘビ兄弟をフル無視して玄関から俺たちのいる方へ走ってきた


(ギャル美「ねぇねぇ!君、地雷系女子でしょ!すごいいぃい〜!会ってみたかったんだよねぇ!可愛ぃい〜〜〜!」

(地雷系ヘビィ「えっ…可愛い…?私が?」

(ギャル美「うん!さいっこうに!可愛いよ!ねぇ!ねぇ!お名前はなんていうの?!」

(地雷系ヘビィ「えっと…ヘビィだけど…」

(ギャル美「ヘビィ…か!すごい名前だね!そうだなぁ…ヘビィなら…ヘビっちかな?!いいっしょ〜!」

(地雷系ヘビィ「へ…ヘビっちー…」

(ギャル美「気に入らないかなぁ…?」

(地雷系ヘビィ「いやいや!素敵だよ」



ナニコレ?!どう言うことだ?初対面なはずの2人が…こんなにも…。しかも重圧感のあるヘビィが押されてる!?ギャル美は確かにギャルだがこんなに押しまくるタイプじゃないぞ!?ギャルと地雷系はそもそも相性いいのか?。

(ギャル美「ということで!私とヘビっちーは、今からお買い物にいっきまーす!ちゃおー!」

(俺「えっ?ちょっ!まだヘビィと話が…」

(地雷系ヘビィ「うるさい!そんなもんいつでもいいだろ!」

うわっ…俺にだけ冷たくない?。

そうして2人はどこかへ出かけていった。


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