第20話本物の日常。

俺とアリスはヘビ兄弟の襲撃から己の弱さを知り、強くなるため鍛えることにしました。

(俺「シャナ…いつから俺の歯ブラシ使ってたんだ?」

衝撃の事実。シャナが俺の歯ブラシを使っていたことが今さっき判明した。まぁ正直、シャナがいつから歯ブラシを使ってたかなんてどうでもいい。どうせ買い替えるから。

(シャナ「えーっとですね〜。たしか3週間前くらいですかね?」

(俺「さ、3週間?!そんな前から?!」

なぜだ…なぜ気が付かなかった。…いや、そういえばシャナが俺の家に居候しはじめてから、俺の歯ブラシの劣化…というか、ブラシの部分の形がおかしくなってたな…。シャナが力強く磨いてたからか!!!

(俺「なんてことだ…。俺は今まで…チックショォッ!」

(サソリ男「まぁ落ち着けよ。新しい歯ブラシ買ってくればいいだろうォ。焦ることじゃねぇーよ」

(俺「た、たしかにな。そうだ、何個か歯ブラシ買ってこよう。…ていうか、サソリ男。お前は歯をどうやって磨いてたんだ?」

そうだよ、そうだよ、サソリ男は一体何で歯を…アリスもそうだが…。

(サソリ男「おっ?それは…お」

(俺「まてっっえぇ!…それ以上言わなくて良い。黙っててくれ。」

聞かなくていいこともあるはずだ。変に聞くの野暮だな。さっさと歯ブラシ買って念入りに歯を磨こう。

(俺「よし!シャナ。お前も歯ブラシを買うのなついてこい。」

(サソリ男「おいよ?お前鍛えるんじゃなかったのかァ?歯ブラシ購入なんてあとに回せよ」

(俺「悪いな…そんなことしてる場合じゃねーんだ。俺は新しい目標ができちまった…。」

だが、ちゃんと鍛えるのは鍛える。そう明日からな!。

ガチャリ。

(俺「さっさと買ってくるか。俺の新しい歯ブラシに…シャナのと、アリス。サソリ男にも…」

(シャナ「たいきさんお金尽きませんねー!。食べ物も最近よく買いに行きますし。」

(俺「別にそれだけで金がつきるかよ。それに前言ったけど、俺には謎の資産?遺産?知らんけど大金があるからなー。先生が毎月送ってくれるんだよなぁ…ありがてぇぜ。まぁ…自分で働くのは働くけど。」

そう。俺には謎の大金がある。前田先生はそれを俺には教えてくれない。いや…前田先生も知らないだけかもな。でももう1年経つけどまだあるんだよなー?相当な額だ。もしかしたら…このまま働かずに…いや、ダメだなそれは。


(シャナ「ふぅーんそうなんですね。たいきさんは親御さんの記憶とかないんですか?」

コイツ…よくこんなこと聞けるな。

(俺「それがなー。幼少期の記憶が曖昧っていうか…。親の顔も分からないしー、どこで生まれたなんてことも…」

(シャナ「そうなんですか。あっ!たいきさん!あそこ見てくださいよ!」

おいおい、コイツ話題がすぐずれるな。


にゃ~にゃ~にゃ~。

(俺「おっ、近所の野良猫たちが集まってんなー。ここらへん多いもんなー」

(シャナ「うにゃぁぁあ〜!」

またシャナが野良猫相手に威嚇してらぁ。この前近所のボス猫にやられかけたのに。学習しねぇー奴。

(ボス猫「ううぅぅぅぅ〜!!!」

おっ…あん時のボス猫か。シャナに強烈な猫パンチをお見舞いした…。顔に傷があり、見るからにデカい猫…まさにボス猫にふさわしい猫だ。

(シャナ「!!!うなぁぁあ!再戦なぁ!」

ここでおっぱじめる気かよ。はたから見ればただの怪しいコスプレ少女が猫とシャーシャー言ってる不気味な絵面なんだが…。

(ボス猫「しゃぁぁあぁぁ!」

おっ。今回はボス猫が先に猫パンチをするか。あんなデカい肉球でパンチされたらたまったもんじゃにゃいぞぉ〜?。


ソオッツツツ!

(シャナ「ふふふ。もうそのパンチは当たらないですよお!」

何猫相手にガチになってんだ?実際ボス猫って言っても近所の小学生にも負けるだろうが。

(シャナ「今度は私の番だぁぁぁー!」

トツン。

シャナの猫パンチがボス猫に当たる。避けれなかった…いや避ける必要もないほどの弱パンチ。前もそれで返り討ちにあってたな。サソリ男に見せたあのパンチはなんだったんだ?結構食らってたように見えたが。まぁあん時はサソリ男、アリスとの対戦で消耗してたもんな。

(大森シン「おっとっと〜?お二人さんお久しぶり☆!」

(俺「誰ですか?」

(大森シン「いや、シンだよ!?忘れんなよ!」

あぁ…シンか。あいさつがきもすぎて他人のフリするところだったぞ。

(俺「お前、今なにしてんだよ?カメラで盗撮でもしてんのか?」

(大森シン「お前そんなふうに思ってたのか?!盗撮なんてしねーよ。捕まっちゃうだろ。俺は普通にお散歩してたんだよ!ジョギングくらいしないと運動不足になっちまうからな。それでたいきは何してんだ?」

(俺「シャナとちょっと買い物に行こうなー。」

(大森シン「今シャナちゃん、猫と喧嘩してるけど…」

(俺「まぁ寄り道みたいなもんだ」

(大森シン「あぁそう?ま、俺はジョギング中だからよ!じゃあなー!」

おっ。なんだよ今日はすぐどっか行くんだな。また変なことするかと思ったが。

(シャナ「はーい!さようならー!」

シンと話してたらいつのまにか、ボス猫はどっか言ってたな。決着がついたようだが、シャナは猫に引っ掻かれた傷があるな。こりゃ負けたな。

(俺「さっさと買い物すますぞー。」

(シャナ「はーい。そうしましょそうしましょ!」

タッタッタッ。

家から出て10分が経った。スーパーはあともう少しでつく。ここらへんはコンビニもちょい遠いからなー。不便だ。まぁ文句は言ってられない。

(シャナ「紅葉も終わりですねー。」

(俺「そうだな…。秋も終わって冬になるなー。もっと寒くなるからなー。」


…もう秋も終わりか…。なんだろうな。気づいたら終わってたッて感じ。小学生の頃とかは夏も秋も冬も春も、全部全力で楽しんでたなー。あの頃はすべての季節が好きだった。暑いのも寒いのも遊べれば何でもよかった。

(俺「子供の頃はどの季節も遊んでたなー。あの頃は楽しかったぜぇ…」

(シャナ「子供の頃…ですか。私も遊ぶことが多かったですね〜。私とアリス…そしてセレンと。」

(俺「ん?セレン?誰だそれ。シャナの友達か?」

(シャナ「あ、たいきさんには名前言ってなかったですね…。13年前に行方不明になってしまった隣国の王子さんです。」

(俺「あ…そうだったのか。その王子がセレン…なんか綺麗な名前だな。」

(シャナ「はい。あの頃はずっと3人で遊んでました。冬は雪だるまを作ることが多かったなー」

(俺「そうか。」

13年前…シャナとアリスはそのセレンという王子を見つけるという約束を子供の頃にしてたんだ。そしてこの人間界にいるかもしれないと…。無事だといいが。

(シャナ「あっ!スーパーですよ!着きましたねー!」

おっ…やっと着いたなー。毎回ここで買い物してるが、やっぱり疲れる。運動不足だもんな。鍛えたらきっとここに来るのも楽になるぞ。


ウィィィーン。

(俺「おっ…ふぅ…」

最高だ…最高に…あったけぇー。これだよこれ。気持ちいいレベルの暖房が効いてやがる。ぬくぬくだぁ。

(シャナ「おおぉ!温かいですね。ぬくもります〜ぅぅ〜ぅ〜。」

シャナが喉を震わせるほどにあったけぇ。やっぱ冬に感じる暖かさの温もりは異次元だぜ。

(ギャル美「あれっ?!たいきっちにシャナっちじゃんー!やっほー!」

(俺「あっ、ギャル美!お前も来てたか!」

シンと会った次はギャル美か。

(シャナ「ギャル美さんは何を買いにスーパーへ来たんです?私たちは歯ブラシを!」

(ギャル美「あー、うちはただ温まりに来ただけだよー!」

なんて迷惑な野郎だ。温もりをもらうためだけにスーパーへ来たのか。

(シャナ「そうなんですか?!いいですねぇ!それ!天才です!」

何がどういいんだ。天才要素も何もないだろ。

(ギャル美「でしょ。でしょー?アタシったら天才なのにシンにこのこと言ったら、゛お前馬鹿なんじゃ?゛だってさ!」

いや…コレに関してはシンが正しいが…。

(ギャル美「まー、うちはもう体全体がぬくもったし、そろそろ帰宅しまーす!」

(シャナ「ばいばーい!」

(俺「…今度からは普通に家でぬくもれ」


ということでギャル美は駆け足で帰宅していった。ギャル美の家はどこにあるか知らないが、3分もあれば体のぬくもりなんざ消え失せるだろうな。

(俺「あっ…あ〜」

でも…やっぱ暖房最高だな。ここ直で当たるし…ここにずっと居てぇ。

(シャナ「たいきさん、歯ブラシってどこにあるんですかね?」

ぃぁあ!ダメダメ!俺はギャル美と違ってちゃんとした目的があってスーパーに来てんだ!


(俺「えーと。食料品売り場の隣だったかな?」

タッタッタッ。

ここのスーパーは結構広い。歩き回れば中々の時間がかかる。

(俺「おっ、発見!歯ブラシ!」

さぁ。さっさと買って帰るぞー。

(俺「さ、レジ行くぞーシャナ…?」

あれ?アイツどこ行った?

(シャナ「くぅん…くんかくんか。」

おっ…一個となりの棚にいるのか?アイツ勝手に動き回って。

(俺「おい…何してんだ?」

(シャナ「あっ、たいきさん!これ…すごいいい匂いが…」

ん…。これは…キャットフード?!?!?…シャナはこれ食えんのか?猫用だからイケるかもだが。アイツは大体食パンかサバ缶だかなー。

これもありか?!

(俺「たっく。しゃーねぇーな。買ってやる」

(シャナ「?!いいんですか?いい匂いがするって言っただけですけども!!!」

(俺「いいんだぜぇ!」


ピッピッピ。

(店員「えー、1.300円になりまーす。」

(俺「はーい。」


(店員「ありがとしやっしゃっせぇー」

ウィィィーン。

(俺「ううぅ!さむ。」

なんだ…外出た途端にぬくもりは失われた。3分なんてもんじゃねーわ。

(シャナ「さっ、帰りましょ♪」

シャナの奴、キャットフード買ったからか、テンションちょい高めだな。

(俺「ん?なんだぁ?この犬は」

俺たちが帰ろうとすると目の前にボロボロの犬が…そして服をくわえてる。

(シャナ「あっ、アリス?!どうしたのー?」

(アリス「がぐゔゔ〜」

(俺「えっ?アリス?…あぁ、確かに獣化したらこんな感じの犬だったな。…まさかボロボロなのって修行のせいか?」

コクン。アリスがうなずく。

(俺「なんだ、獣化して修行してたのか。疲れたろ?帰って風呂入れよ。」


完全な犬になっているアリスと合流し、俺とシャナは家へ帰宅する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る